
パルファチューンなどのコラボレーション香水ブランドをメインとした商品企画を担当。より多くの人が香りを身近で楽しんでいただけるよう、香りの新しい楽しみ方の提案や、「日常に馴染むオシャレな商品を届ける」ことをモットーに商品開発を行っています。日々、大好きなファッションからインスピレーションを受け、商品のイメージを膨らませています。
改めて、パルファチューンのブランドコンセプトを教えてください。
パルファチューンは、音と香りの掛け合わせで音楽と香りの世界観にもっと没入してほしいというコンセプトのブランドです。
19世紀にイギリスで発明された「香階」という伝統的な手法をつかって、たとえば低い「レ」はバニラ、高い「ラ」の音はラベンダーの香りと、音を香りで表現します。
音と香りが融合することによって、音楽も香りもさらに楽しんでいただきたいという想いをもって数々のアーティストさんとコラボレーションさせていただいています。
第三弾となる今回は大塚 愛さんとのコラボレーションでしたね。きっかけや背景などをお聞きしたいです。

パルファチューン 第一弾はMrs. GREEN APPLEさん、第二弾はSIRUPさんと男性アーティストさんをお迎えしていたことから、ブランド内でも今回は女性のアーティストさんとお取り組みをさせていただきたいというイメージが挙がっており、企画を立てていく中でご縁を探していました。
そんな中、事務所を通して大塚 愛さんが香水開発にご興味があるとお話をうかがってお声がけさせていただいたのが始まりです。
ブランドとしても、香りに対して興味や関心を持ってくださっている方と積極的にお取り組みをさせていただきたいという想いがあったため、そこが一番のきっかけだったと思います。
すでに数々の音楽で多くの方々を魅了している大塚 愛さんとパルファチューンがコラボさせていただくことで、香りとともにさらに音楽を楽しんでいただきたい、また、香りを楽しむことのきっかけにつながるのではないかなと思い、今回のパルファチューン 003に至りました。
これまでパルファチューンは香りが1種類でしたが、今回は3種類展開されていますね。なにかきっかけがあるのでしょうか?

これまでパルファチューンは、1種類の香りのみで発売していましたが、お客様から「香りは1つしかないのか」というお声を多くいただいていたんですね。
そのお声を受けて私たちとしても、複数の香りをご提案させていただくことで、出会いや選択の幅を広げお客様に香りをもっと楽しんでいただきたいと思い、今回3種類を企画させていただくことになりました。
これまでのパルファチューンは香水開発に合わせて新曲を作成していただく形になっていましたが、今回は3種類のうち、1種類は『un』という新曲を、2種類は『ゾッ婚ディション』『Re:NAME』という過去にリリースされている楽曲を採用させていただくことになりました。
楽曲の選定については大塚愛さんたってのセレクトです。今回の香水開発にあたって、ご自身の好きな香りを思い浮かべた際、その香りのイメージに合う楽曲としてこの3曲が浮かんできたとのことでした。
新曲『un』の香りづくりやエピソードを詳しく教えてください

大塚 愛さんのお好みの香りをうかがった際に、香りは好きだけどいわゆるザ・香水のような香りは苦手で、ボディミストやヘアミストのような、ライトフレグランスを好んで使われている話を伺いました。
そのためunに限らず、すべての香りづくりで共通していることなのですが、いい意味で香水らしくないライトな香りづくりを意識しています。
パッケージは、大塚 愛さんからのアイデアでご本人が描いた油絵をメインモチーフにしたデザインです。unは企画当初から大塚 愛さんのなかですでにイメージがあり、「芯のある前向きさ」や「包み込まれる光の中にある花」のような世界観を香りにどう落とし込んでいくかというところからはじまっていきました。
楽曲も歌詞がなくピアノのメロディーだけで、どこか希望を感じられるような曲調になっています。
そんな前向きな気持ちや光を取り戻せるようなイメージがスパイシーウッディの香りに落とし込まれています。この3種類のなかだと一番ユニセックスな香りです。
ほか2つの香りについても詳しく知りたいです!
ゾッ婚ディションは、女の子の頭の中をイメージしているそうでとても明るい曲調ですよね。絵画にもハートマークやファンタジーなモチーフがちりばめられています。香りとしてはホワイトフローラルの香りなのですが、いまの大塚 愛さんがあらためてこの楽曲を見つめなおしたうえでアップデートされたものが香りに落とし込まれています。
なのでかわいらしい雰囲気はあるんですけど、どこか大人なニュアンスも味わえる香りになっています。
Re:NAMEは、大塚 愛さんから「ミルク風呂のような甘さの香りのイメージ」というアイデアがあり、3種類の中では少しシュガリーで清潔感のある、ミルクリネンソープの香りになりました。
曲のMVからも油絵からも伝わる通り、白い世界観が印象的で、香りとしてもはっきりとしたものではなく、どこかあいまいさが残っているイメージをミルクの甘さやソープの清潔感で表現しています。
ただ、すべての香りに共通しているのですが、ふわふわしているのではなくしっかりとした芯を感じられるんですよね。
アーティストとして様々なご経験をされてきた大塚 愛さんの、前向きな芯・強さが香りに落とし込まれているなと感じます。
大塚 愛さんとの香りづくりはどうでしたか?
制作中もすごくスピード感があって、決断に迷わない姿がさすがアーティスト...!と感じました。
もちろん、香りづくりやパッケージを制作するにあたって洗練された表現に時間をかけている部分はたくさんあるのですが、香りを決める段階では「オッケー!これで!」としっかりGOサインをくださりました。私たちブランドとしても自信をもってご提案できるラインナップになったなと感じています。
最後に、それぞれの香りをどのように使えばいいかおすすめを教えてください
unは爽やかな香りを感じられるので、朝すっきりしたい日のようなタイミングにおすすめです。一方で落ち着きも感じられるので、すこしまったりしたい気分のときにもぴったりです。香水として自身に使うのではなく、空間に吹きかけて香りを楽しむのも良いと思います。
ゾッ婚ディションは、華やかな香りなので気分を高めて外出をしたいときや、なにか自分を表現したいときにおすすめです。今回複数のご提案ができたことによって、女性らしい香りができたことはブランドとしてもうれしいですね。
Re:NAMEは優しい甘さのある香りを一番に感じられるので、気持ちを前向きにしたいときにおすすめです。どこか優しく包み込んでくれるあたたかい香りなので、自分のためにつかう香りとして一番おすすめできると思います。
