「この香りがするってことは、あの先輩が同じフロアにいる!」
まずは藤ヶ谷さんの香り遍歴を。香りとの出会いから教えてください。
最初に香りに目覚めたのは中学生の時ですね。学校の先輩たちが香水をつけていたので、次第に興味を持つようになって。やっぱりちょっとイケてる先輩たちは、香水を使ってたんですよ。そんな憧れの先輩と徐々に仲良くなって、なんの香水を使っているか聞いて、同じ香りをまとうことでテンションが上がる。そんな学生時代でした。
だから、香水デビューした頃に使っていたのは、先輩から教えてもらったものばかり。「サムライ」「ニコス スカルプチャー オム」「ジャンヌ・アルテス セクシーボーイ」「ドルチェ&ガッバーナ ライトブルー」など、いろいろつけていました。
先輩から香水の“おさがり”をもらうこともあって、それでやっと「認められた!」という感覚も。僕も後輩に香水をあげることもありましたよ。なんだか良い時代ですよね(笑)。香りには学生時代の思い出がたくさん詰まっています。
高校生になってからは、自分でも様々なブランドを試すようになりました。大きな転機はシャネルの香水との出会い。深く、品がある魔性の香りにハマって「アリュール」や「ココ ヌワール」をよく使っていました。香りが時間とともに変化していく面白さを知ったのもこの時です。
学生時代から現在のお仕事をされていますが、その頃から香りはいつもそばにありましたか?
そうですね。昔はKis-My-Ft2のメンバー間でも香水を貸し借りすることがありました。今はもうないですが、懐かしいですね。仕事中に「この香りがするってことは、あの先輩が同じフロアにいる!」と気付いたりもしていました。
香りでコンサート前の最後のスイッチを。あのドラマでは、あえて香水を使わず!
現在、藤ヶ谷さんはどんな香りを使っていますか?
チュベローズ系の香りが好きなので、そういった香水を使うことが多いですかね。また、バスソルトも香りにこだわっています。ヒノキ、ホワイトティー、柑橘、ミルク系など、いくつかストックしてあり、その日の気分で使い分けています。
お仕事の際、まとう香りをどう選んでいますか?
仕事をするときも、香りは必須。Kis-My-Ft2のコンサートでも、準備が整った一番最後に香りをまとってからステージに向かっています。ヘアセットをして、ストレッチをして、衣装も着て、「よし行くぞ!」という時に香りでスイッチを入れる感覚です。
あ、ただ、ドラマ『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』(日本テレビ)では、正体不明の特殊詐欺組織のリーダー役を演じたので、逆に香水は使わずに撮影に挑みました。姿を隠す=香りも無いというイメージだったので。
そうした香りへのこだわりを活かして、香水ブランド「Aimetoi(エメトワ)」もプロデュースされました。
調香師さんと何度も何度も打ち合わせを重ねて完成した自信作です。制作に半年以上かけたのですが、僕の希望を伝えて、試作して、また改善して…の繰り返し。ボトルやロゴにもこだわっています。情熱を持ったチームで良い香りを作る過程はとても幸せで、最高な時間でした。完成した「08(ゼロハチ)」「23(ニーサン)」は、どちらも僕がイメージした通りの理想の香水になっています。
それでは最後に、藤ヶ谷さんにとって「香り」とは?
「自分の気持ちを高めてくれる存在」です。まとう香りのおかげで自信が持てたり、落ち着けたり、攻めることができたり。一番近くでマインドコントロールして、パワーをくれる、僕にとって欠かせないものだと思っています。