商品企画をされた奥村さんのプロダクトへのこだわりポイントを教えてください!
EXILE TAKAHIRO(以下TAKAHIRO)さんから、「いい意味で自分らしくないもの」を目指したいとご提案いただいたのがきっかけです。
自分らしくないものってどういうこと?って思われますよね。
TAKAHIROさんに対して、なんていうか、、イケイケというか(笑)そういうイメージを持っている人も少なくないと思います。
そんな中、今回のフレグランスをつくる上では、TAKAHIROさんのイメージとは打って変わって「人々の暮らしに溶け込めるような見ためや香りづくり」というところにこだわりました。
ボトルのデザインやラベルの色味、コルクのキャップがあまり華美な感じにならないように、馴染みやすさや手に取りやすさを考えました。
ラベルに関しては和紙で作られていて、手触り感のしなやかさは私自身のこだわりとTAKAHIROさんの想いが合致した部分でもあるし、今回一番こだわった部分でもありますね。
あと今回、コルクのキャップもすごくこだわりが詰まっています。
FITSではコルクのキャップはあまり前例がなく、もしかしたらシルバーのキャップになっていたかもしれませんでしたが、サプライヤーの協力を得て、安定した品質の資材を供給いただけることになり、コルクのキャップで作ることができました。
シルバーの見た目だとイメージがギラついたイメージになり、今のイメージにはならなかったと思います。
そういう意味では、キャップの部分のクオリティコントロールができたことが、今回のこの商品のテイスト感を守れたポイントではありますね。
実際に手に取ってみました。コルクのキャップがぬくもりを感じさせ、自然な香りを連想させており、自然な見た目なので自分の持っている小物との相性も良く、男女問わずに使えるアイテムだと感じました。 香りはどのように決まりましたか?
TAKAHIROさんが好きな香りのベースが全部ムスクであったというところが、香りを決めるポイントのひとつでした。
今回3種類の香り(アロマティックムスク、シトラスムスク、フローラルムスク)があって、すべてムスクベースにして香りにアレンジを効かせるという発売の仕方にFITSらしさも表現することが出来ました。
3種類それぞれの名前もそうですし、香りも人気なものというより、少しクセを効かせて「ムスク+バニラ」「ムスク+シトラス」のようにアレンジを加えました。
またその中で、TAKAHIROさんからのリクエストはありましたか?
今回はTAKAHIROさんの思い描いていた香りと、私たちが提案させていただいた香りが奇跡的にマッチングしました。
結構その場で決まらないことは今までの経験上あるのですが、その点に関して、すごく美的センスのある方だなという印象を受けました。こちらの提案に対してそれ以上で返してくださったんです。
私がそれぞれの香りを4つほどご提案した際、即決でコレがいい!って決まったんです。「発売時に3種類出したいです」とお話したところ、全部捨てきれないくらい良い香りだとおっしゃってくださり、では最後のひとつを限定品に残そうという流れになり、その時点で限定品の香りも決まっていた....という開発秘話です。
bgmというブランド名を考えてくれたのも実はTAKAHIROさんなんですよね。
これも開発秘話のひとつです!
パッケージの波形について教えてください!
実はTAKAHIROさんのソロ曲の波形なんです。
曲の波形になったきっかけは、bgmというブランド名、すなわち「音楽」という意味があることから、自分の楽曲の波形を使ったデザインにしたいというTAKAHIROさんの強い想いがあり、今に至ります。
「楽曲の波形のデザインと香りの組み合わせは一旦家に持ち帰って考えます」とおっしゃってくださり、数日後、TAKAHIROさんの方から組み合わせのご提案がありました。
「041」「003」「087」にはそれぞれ意味があり、”どのような情景で、どんな曲の波形と香りを選んだのか” まで思い描いてくださっていて。さすがTAKAHIROさんらしいというか、、そういうご本人のセンスみたいなものを感じました。
ファンの方のことを想いながら選んでくださった曲の波形、それは悲しい情景の曲なのか?楽しい気分の時のあの曲なのか?みなさんもぜひ想像してみてほしいです。
多くの方が気になっているであろう、香り名について教えてください。
TAKAHIROさんが考えてくださったのが、今回の香り名である「041(シー)」、「003(サン)」、「087(オハナ)」になっています。
この語呂合わせの中に裏テーマを設けることにしまして、「041」は“SEA”、「003」は“SUN“、「087」はハワイ語の“オハナ”から命名しました。「041」はしっとり、「003」はさっぱり、「087」はほんのり甘めのテイストになっています。
どんな人に使ってほしいですか?
今回はTAKAHIROさんもわたし自身も、TAKAHIROさんがプロデュースしたからということだけでなく広く多くの方に手に取っていただけるような香り立ちという部分にこだわりました。
「THE香水」といった香りでもなく、人々の様々な生活シーンに溶け込めるような香水になっていますので、TAKAHIROさんファンのみなさんはもちろん、年齢を問わず多くの方に届けたいと思っています。
▲初回限定版にはどこでも香りを楽しめるようにピック型のムエット(試香紙)がついています。
全体的に甘く優しい雰囲気というか、3種類ともシーンごとに人々の生活にそっと寄り添ってくれるそんな香水だと思いました。全てをムスクベースにしたことで、誰でも使いやすいがその中でも香りがパキっと分かれているので、自分の好みの香りを見つけられるところに感動しました。 商品化するときに難しかった点を教えてください。
実は開発中にすごく苦労したということはあまりなく、商品開発にかける想いと気持ちが揃っていた印象を今回は受けたので、おかげさまですごくスムーズに進みました。
どちらかと言いますと、提案前の準備の方が大変でした。スケジュールのない中で香りを準備したりとプレゼンの準備に一番苦労しましたね。
このプロジェクトに本格的に参加したのが年明けでした。その時は「発売は12月ではなくもう少し先」と予定していたんです。
調べていくと、TAKAHIROさんの誕生日が12月8日だと知り、合わせて発売するのが素敵だと考えると、もともとの予定よりも早いスケジュール感で進める必要がありました。
この当時わたしがまだ育休から本格復帰していなかったのもあり、リモート禍での香り出しのところから、スケジュールぎりぎりで香りをアレンジするのが一番苦労したポイントですね。
「いい意味で自分らしくなく、人々の生活にそっと寄り添える香水」とおっしゃっていましたが、お話を聞いていくうちに、本当にその言葉の通り、TAKAHIROさんの魅力が全面的に出ている香水ができたのではないかと思いました。
最後にひとことメッセージをお願いします。
性別やシーンを問わず手に取りやすいホワイトムスクベースの香りです。
デザインも香りもTAKAHIROさんのこだわりのたくさん詰まったフレグランスとなっています。
bgmのように五感に心地よく流れ、軽やかに優しく寄り添う香りをお楽しみいただければ嬉しいです。