「香りに対して、わりと一途」
TAKAHIROさんが「香り」と出会ったきっかけは?
実家が美容院だったので、シャンプーなどヘアケア製品の香りに囲まれて育ってきました。そのせいか香りにはうるさい子どもで、美容院の会議にも参加して、「こっちの香りの方がいいと思う!」なんて意見を出していました(笑)。ヘアケアはお客さんの顔の近くで使うものなので、強い香りだと気分が悪くなったり。なので自然な香りがいいと思っていて、自分が美容師になってからも、そして今でもその好みは変わりません。
香りの英才教育ですね!
実家もそうですし、通っていた空手教室も、友達や先輩の影響で感度を高められる環境でした。小学生ながらに「どこどこの香水をつけてる」とか、香り以外にも「あの子がエアマックスを買ったらしい」とか、聞いては自分も欲しくなったりして。小学生のときからヘアセットに毎朝20分かけるような子どもだったので、トレンドにはかなり敏感でした。高学年になると母の香水をこっそりつけていたんですけど、すぐにバレて「それ女性向けだよ!」と指摘されました(笑)。でも、好きな香りだったんです。
初めての香水はお母さまのものだったんですね。その後の香水遍歴は?
こっそり使っていた母の香水のメンズ版を、母がプレゼントしてくれたんです。高校卒業まではずっとそれを使っていましたし、今も家にあります。香りに対して、わりと一途な方で。初めて自分で香水を選んだのは、美容専門学校に通うため福岡に出たとき。その香水は上京して美容師になってからも、EXILEとしてデビューしてからも使っていました。いつも1つの香水を長く使うので、思い出も多いです。
TPOにあわせて、重ねづけでアレンジ
香りをまとうときのこだわりは?
TPOをとても大切にしています。特に「人」ですね。その日会う人が年上か年下か、性別も意識しますし、その人の香水を知っている場合はその香りとケンカしないようにも意識してます。香りには本当に敏感なので、EXILEのメンバーなら目隠ししても香りで誰か当てられます(笑)。
たくさんの香水を使い分けている?
いつもベースで愛用する香りがあるので、それに重ねてつけることで気分やTPOに合わせます。僕が好きな香りは自然なものなので、重ねても強くなりすぎないんです。男性あるあるだと思うのですが、アウターやジーパンなどあまり頻繁に洗濯しない服には、香水の香りが残ってるんですよね。そこに何も考えず香水を足すと、香りが強くなりすぎてしまう。同じ香りをつけるか、混ざっても相性がいい香りを選びます。
音楽と香りの共通点は?
こだわりが高じて、フレグランスブランド「bgm」をプロデュース。楽曲づくりとの共通点はありましたか?
技術的な部分は異なるものの、感覚的には似ている部分が多いと思いました。曲のイントロを聞いて記憶が呼び覚まされることがありますが、香りも同じ。すれ違った人の香りで、忘れていた記憶がふっと浮かび上がることがありますよね。
アルバムに収録する曲の順番もすごく考えるタイプなのですが、香水もトップからラストまでのストーリーがありますし、そこも似ているかも。音楽でも香りでも、誰かの日常に寄り添うものをつくれていたら嬉しいです。
それでは最後に、TAKAHIROさんにとって「香り」とは?
日常や思い出を少しだけ贅沢にしてくれるもの。
ソロ活動10周年を迎えた2023年、9月6日に6年振りとなるオリジナルアルバム『EXPLORE』をリリース。9月21日に、初の日本武道館単独公演「EXILE TAKAHIRO 武道館 LIVE 2023 “EXPLORE”」を開催した。12月26日には、東京・東京国際フォーラム ホールAにてソロライブ「EXILE TAKAHIRO CHRISTMAS LIVE 2023~EXPLORE~忘年会」を行う。 また、2014年に個展「始 -絵具バカ日誌-」を開くほど書道と絵画にも秀逸。 JR九州在来線車両をTAKAHIROがデザインするプロジェクトにて、デザイン電車が2022年10月より運行開始するなど、多才な活動を行っている