
1997年生まれ、Z世代の企画屋。僕と私と株式会社 代表として「エモマーケティング®︎」を提唱し、心を動かす企画で企業や社会の課題解決に挑む。

1987年山形県生まれ。2014年にフィッツコーポレーションに入社。F18プロジェクトのチームリーダーを担う。
今回のF18というプロジェクトの目的や背景を教えてください。
(細貝)実は今瀧さんとこの話をしたのが2年前くらいで、フィッツの中で、ちょうどこのタイミングで中期事業戦略みたいなものがうまれはじめて、その中で、「生活者の声を聞きに行くこと」というのを大事にしていくことを大きなミッションとして掲げていました。
その流れで「僕と私と」さんとの出会いがあったのが「ライジングウェーブ」でした。
実際に使っているユーザーの声をどうやって聞いたらいいか全くわからない時にお声がけさせていただいて。そこからがお付き合いのスタートでしたね。
(今瀧)最初声かけられた時に、僕が学生の時に「ライジングウェーブ」を使っていたこともあって懐かしい気持ちになりました。その時は発表会を行うなど「ライジングウェーブ」のPR部分で携わりました。
(細貝)そうなんですよね。
ライジングウェーブと今回のF18プロジェクトは重なる部分もあって。F18チームで学生に話を聞いたのって良かったよねっていうところから、もう少しFITSの中で、自社の強みとして、若い子たちの声をずっと聞き続けられる力を持っていたいというところで、F18チームがそういう「聞く力」をつけるうえでの取り組みになりました。
今瀧さんにお声がけさせていただいてすぐ、現役18歳のオーディションが始まって。この時、香りがとても好きなユーザーか、すごい嫌いなユーザーか、どちらか極端な人たちの声を聞いていくアイディアがでましたね。
今回に関しては大好きなユーザーにして、なおかつ趣味でカメラをしていたり、パティシエの方などクリエイティブに溢れる人たちが集まりました。

プロジェクト名に“F18”とあるように、18歳にこだわった理由って何だったんですか?
(今瀧)FITSさんの希望でしたよね。
(細貝)そうですね。
FITSの中で、18歳にグッとセグメントしようというのが結構狙いのところであって。その時に”若者”っていう人はいないなと気づいて。
若者ではなく誰にというのを明確にした方がプロジェクトとして面白いのではないかというので、18歳が10代のクライマックスであり、高校生から専門学生になる人もいれば、働きに行く人も大学生になる人もいて。
この転換期が訪れるタイミングの子たちに声を聞くと面白いのではないかと。18歳っていうかなり明確にした形にしようとチームで話しました。
最後に「フレタグ」にたどり着いた経緯や流れを教えて下さい。
(今瀧)オーディションの段階でプロダクトを作ろうっていうところはあって。ただ何のプロダクトをどう作るかは何も決まっていない状態で、まさにアイデアの種を集めましょうっていう形でした。
本当にアイデアを色々発散して、そもそも香りのイメージってなんだっけ?みたいな議論をしたりだとか。学校生活の中で思いつく香りって何がある?と聞くと、思い出の香りとして残っていたりっていうのがディスカッションの中でありました。
それを学生生活の中でどうやって残していこう?というディスカッションから、このフレタグのような傘にキーホルダーみたいにつけられるといいよねっていうところから始まって。
あとやっぱり昔も今もなんですけど、学校内で手紙交換ってずっと行われていて、メッセージ性のあるものってすごい思い出に残るし、かつその香りはすごい思い出に紐付けられるよねってところから、フレタグが生まれました。

手紙ですか…どの世代も共感できる学生時代にまつわるエピソードで”エモい”ですね!
(今瀧)エモさって「60点の共感」みたいに僕は捉えてます。エモさって、100点ではなくて、60点ぐらいのものだと思っていて、この60点がなんで60点かと言うと、多様化しすぎて100点がバラバラになっているので。
昔と今で言うと、学生生活の中でのコミュニケーションの手段は変わってはいるんですけど、コミュニケーションを取るっていうこと自体はもうずっと変わらないなと思ってます。
デジタルのコミュニケーションもありますけど、まだまだ学生たちはペンと紙でのやりとりもあって。そこにまだ手紙交換っていう誰もが共感できる「60点の共感」があるのではと思いますし、文化も根付いていると感じます。
ワークショップで、メンバーから伝えられたことや印象深かったコメントなどありますか?
(細貝)意外と色々なデバイスやアプリが出てきても、学校ってやっぱり独自の文化があり続けるんだなっていう風に思っていて。
印象的だったのが、”体育祭で円陣を組んだ時のアスファルトの匂い”という香りや匂いの想い出を表現する人がいて。言われたらシチュエーションも思い浮かぶし、わかるじゃないですか。やっぱり香りや匂いは青春の記憶に関して、強い繋がりがあるんだなというのが印象的ですし面白かったです。

(今瀧)確かに。季節や場所のような通常は香りとしてないものからの連想もありましたね。
(細貝)意外と年齢重ねても思い出が繋がる場所って学校にあるんだなっていうのは思ったところはあります。
(今瀧)学生にとって生活の半分は寝ているか学校にいるかがほとんどですもんね。
プールの塩素の香りとか、窓際から感じる緑と風の香りとか。柔軟剤の香りとか。
情景がぐっと想像できますね。今回のフレタグは香り×メッセージがテーマ。これに決まるまでにきっかけになった出来事みたいなのはありましたか。
(今瀧)フレタグの前は傘につけるチャームがあるといいというものでしたね。傘って誰のかわからなくなるし、さしてる時でも香っていいんじゃないかと。そこでその”タグ”っていうものを、自分のハッシュタグとも繋がっていいなと。
今のZ世代って、ハッシュタグで自分を表してって言っても表せられる世代なので、自分を表すアイデンティティになればいいんじゃないかなと思って。
そのアイデンティティを他人と比較したりだとか、あるいは共感したりだとか。そのタグをさらにコミュニケーションしていくという観点でメッセージ性を入れるという流れになって、最終的にはこのフレタグになりましたね。”フレ”にはもちろんフレグランスって意味もありますが、フレンズという意味も込めてます。

フレンズの意味もあったんですね!このモチーフのデザインとか、カラーリングなどのこだわりはいかがですか?
(今瀧)いろんな形を試しましたよね。可愛さがあるとか、実際に今の学生たちがどういうものをつけてるかも含めて決めました。
(細貝)大きさに関しても小さくなきゃいけなかったりとか。手紙だから交換できるような枚数が必要じゃないかなどプロジェクトメンバーと結構やりとりを重ねてましたね。


お友達に渡す分もないと手紙にならないってことですね?
(今瀧)うん、そうですね。友達に渡す分があると、1人が手紙を送るとお友達内に広がっていくじゃないですか。なので枚数はやっぱり多くしないといけないし、かつその内容によってちょっとハッシュタグが違ったりするんですけど、タグが違うと自分はこれじゃない、あなたこれじゃないって感じで交換が発生するので、そこ含め、手紙交換じゃないですけど、アクションができるっていうのはポイントですね。
議論であったのは、もちろん女の子同士の友達で配るのもあるんですけど、カップルとかで配ったりとか、実はお揃いでつけてるとか。そういうのもいいよねって話になって。
(細貝)あとこれは香りって視覚化されてないので、フレタグという形になってると、いい香りのものだよねっていうのが絵で見えて想い出に残るのがいいなと思いました。
18歳って様々な人達がふくまれますがどんな人達に使ってもらいたいですか?
(細貝)やっぱり18歳って素直になれないじゃないですか。
(今瀧)しかし、最近の子たちは反抗期がないとかも言いますけどね…。
(細貝)え…そうなんですね…(驚)
ま、でも普段伝えられない気持ちがある人が、手紙ひとつ渡してコミュニケーションをするのは今まであったかなと思うんですけど、そこに香りがあると、もうひとつ気持ちがもっとよく伝わるというか。テキストだけよりもさらにいい印象が伝わっていくと思ってます。
誰か伝えたいんだけど素直になれないなとか、気持ちを伝えたいっていう場面の人には使ってもらいたいですね。
フレタグを渡す人で香りを変えてもよさそうですよね。
(今瀧)そうですね。
あと、香りと記憶の結びつきってすごい大きいので、僕とかもそうなんですけど、「あれ?この香りどっかで嗅いだことが…あの人のだ!」みたいになって、今の18歳に見つけてほしいんですけど、この先の3年後、5年後、8年後ぐらいに、「あれ?これどっかで香った…一緒につけてたフレタグだ!」気づいて、そこからとりあえず同窓会しよう!という風に繋がるとか。そういうコミュニケーションになるとすごいいいなと思います。
それぞれ好きな香りはあるけど、香りをシェアする文化っていうのはなかなかないので。タグになってることで、共通の香りとして持てるし、共通の思い出が香りとして存在しますし。
そういった意味では、友人関係などをより円滑にするのもそうですし、気づいたら記憶を呼び戻してくれるみたいな、そういう存在であるといいなと思います。

今回のテーマである18歳といういわゆるZ世代×香りで気づいたキーワードやテーマはありますか?今瀧さんは同世代の他のプロジェクトもされてるので、感じたことがあれば教えてください。
(今瀧)重複しちゃいますけど、コミュニケーションっていうものは本当に変わらないなと思っていて。
今って価値観も多様化して、かつ媒体とかもすごく多様化していて、コミュニケーションにおいても、SNS上も色々ある中で、学校の人と人とのコミュニケーションっていうのはもうずっと変わらない。
その本質にきちんと向き合って、そこに香りをどう巻き込んでいくのかっていうところで、FITSさんの良さと学生生活の良さみたいなところが、うまくリンクしたのがよかったなと思います。
(細貝)そうですね。学校生活の中の香りや匂いは、本当は18歳の子たちにとって、学校生活を楽しくさせるものの要素になれるはずっていうのは、会話を聞いていたりして思ったところがありましたね。
よりもっとみんなが楽しめるっていうところに対して、香りっていうのは入り込めるところがまだまだどこかにはあるんじゃないかなっていう風に思ったので、今回は学校生活をテーマにしましたけど、もしかすると、まだ見えてないこともあるので、何か香りの新しい形が見つかるとより豊かになるのかなっていう気はしました。

最後に伝えたいことはありますか?
(今瀧)全く新しい地点からこのプロジェクトがはじまって、どんなものを生み出せばいいのかすり合わせていく中で、企業側からではなく使う人側から作り上げようとするマインドを持ちつづけるながら最後まで挑戦できたのは本当によかったなと思っています。
(細貝)このF18プロジェクトを通して創られたフレタグは、今回、Z世代を中心に愛されてる「ボディファンタジー」のボディスプレーに付いて発売されます。F18プロジェクトと同世代の方へお届けすることができてよかったです。ただ声を聞いて反映するのではなくて、一緒に作りあげることができたのはすごく貴重な挑戦ができたなと感じています。学校生活はもちろん、様々な人の様々な日常で香りを楽しんでもらえると嬉しいです。

いかがでしたでしょうか?
「F18」プロジェクトの背景をうかがえる貴重なお話でしたね。
18歳にフォーカスしたからこそ生まれたフレタグ。香りの可能性をさらに感じられるお話でした。
香りの価値を創造するFITSと、Z世代にアプローチする僕と私との今後の動きも注目です。